被災された歌人さんたちの特集。
その場にあった状況がどれも目に飛び込んでくる。ああ、こういうことだ、と。
其処にいなければ、どんな慰めもまやかしで、心配りも欺瞞でしかない。
これは簡単に「形あるものはなくなるけれどまた違う形で蘇ってくる」なんてどの口で言えるだろう。
まさに子供さんを抱いて高台へと駆け上がる、今まで見たことのない切羽詰った呼吸の工藤さん。
不自由の最中でも善意の在り方について鋭く見据える中野さん。
どの歌も根底にあるのは、この状況において自らの出来る事、生きてゆく道筋を模索しているという事。
歌うことの本質すなわち生きることの理由はそこなのだと思うのである。
この事実に、当事者になりえない私を含めた皆が、黙って強く打たれればいい。
そこから何を思えるかだ。
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