2006年10月28日23:23
歌を作る身としてしみじみ考えさせられた。
詩作の才の自信、自らに対するプライド
なのに優れた自身を理解してくれようとしない社会との
葛藤に引き裂かれて、あらゆる驕慢や驕りを具現したかのように
虎と化した李徴を、一歩引いた目線で眺めていた。
けど私だって、李徴のようにならないとは言えないかもしれない。
五行歌は誰でも書けるんですと言いながら
誰もがひそかに心の草むらに潜む虎を
飼い馴らしているはずだ。
ささやかな自尊心を満たすため、そして
自身が虎にならぬために。
インテリの自嘲って嫌いなんですが
李徴のそれは気弱を見せぬ虚勢なんですね。
その複雑さが物語に深さを与えてるのかもしれない。
単純に「物知りおバカさん」であったなら獣にまではならなかったかも。
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