死のうと思っていた。
今年の正月、よそから着物一反もらった。
お年玉としてである。着物の布地は麻であった。
鼠色の細かい縞目が織り込まれていた。
これは夏に着る着物であろう。
夏まで生きていようと思った。
太宰治
何かもう後ろから延髄蹴りでもおみまいしたくなる一節だけども。
世の中の文学女子は「太宰派」と「アンチ太宰派」に大体分かれている気がする。
彼にしか感じ得なかった心の闇。最期は自身その闇へと突き進む道を選んでしまった。
恵まれているゆえの負い目引け目はわからないけども、物に対して生死をかけた心のよすがを求めるなんて
ほんとうに追いつめられていたんだなというのは実感的に理解できる。
一人では生きも死にもできない弱さ。
人となりはどうであれ、社会に生きる人間のどうしようもない業の部分も
葛藤も余すところなく描いている。
脆弱で普遍でだから時代を越えても新しい。
死にたいと思ったことがない人は、きっと猛烈に生きたいとも思ったことがないのなら
きっと心底生きたかった人だったのだろうなと思う。
ちなみにうちの母は案外好きらしい。(「人間失格」を昔勧められた記憶が・・)
好きな歌手は沢田研二(ジュリー)そこはかとなく共通点があるような・・・。
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