2011年3月4日金曜日

くらしに息づく言葉たち

一定の年齢になるとなかなか目的の言葉が出てこない。

そんな時に「あれ」「これ」「それ」などの指示語が幅を利かす。

その一定以上の年齢の方が多い私の今の職場(ビルメンテナンス)。

「えーっと、ほら何て言ったっけ、ほらあれ!」

「ああ、○○ですか?」

「あー!!そうそう!さすが脳が若いと違うわぁ」

こういう笑い話ですめば楽しいのだけど、「あれ」と言われたら「ああ、あれの事か」と

その要求に即時に応えなければ仕事が回らない、張り詰めた現場も昔いたこともあった。

更にその上を行くのが二重の発展形で「アレをソレして・・・」とか「コレをアレにして」とか

何だか禅問答の極地になったり、悲しいことにそれが何のことか理解できるようになったりするのである。


「詩乃ちゃん、アレ頼んだよ。」

「ああ、アレですね(・∀・)!!」

「そうさ、アレよ( ̄ー ̄)ニヤリ」


こんな会話が成立するのだ。楽しいよ、年取るのってw


さて、北へ行くほど寒さで口が回らなくなるから方言でも単語の文字数が短くなるというのは

本当なんだろうか?(イヌイットの言語は指示語だけでも30種あるそうですよ。)

出生地が青森である私の田舎では「ケ」という1文字で「食べろ」という意味になる。

ご存じだろうか、一般的に青森の方言といえば津軽弁と南部弁に分けられているが

何気に「下北弁」というのが存在することを。その名の通り下北半島一帯で使われている。

しかも同じ下北でも隣町へ行くと微妙にニュアンスが違ってきたりと結構多種多彩。

下北弁の特徴的な言葉
http://simokitaben.web.fc2.com/about/spe.html

感嘆詞の「じゃじゃじゃ」とか、ああーうちのばあちゃん使ってたなあと感動したのを覚えてる。

私自身は標準語で育てられたせいか(下北弁はヒアリングのみ)時折母や叔母が話す様子を伺うたび

土地の言葉を持つことの生のルーツというか、その土地に生まれてきた確かさ、みたいなものに憧れている。


たぶん自分の言葉、というものを確立できてないからなお思うのだけど。

どんな言葉に取り巻かれて生きてきたのか、その時代背景やメディアも含め

それによって得た利点、欠けた部分など考えてみるのがいいかもしれない。

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